それから暫くは何もなく穏やかに過ごしていました。
その後、父が家を新築して下宿屋を経営することになりました。
家が完成して、とても大きく立派な家でした。
ある日トイレに入り、しゃがんで目の前を見ると、漆喰でま白な大きな壁がありました。
何かうれしくなり、絵を描きました。その絵は小田急線の線路をイメージをしてどこまでも続くよ的でなかなかよく描けていました。
その日の朝、父が大きな叫び声をあげ隣近所に響き渡りました。
『泉屋』で何かあったそうだぞとひそひそ話で、中には乾物で大儲けをしたからと妬みを持っている人もいたみたいです。
父になぜいたずら書きをしたのかを問いただされましたが、私の中では大真面目で悪いことをしたとは思っていませんでした。
父はお寺の住職に相談したり、怒ったり泣いたり、あまりにも倅が馬鹿なので悩んだみたいです。
『地球子』にしてみるとさほどの事とはおもっていません。ただそれから20数年間座るたびにもう少しうまく書けばと思いました。
その後父は何も言いませんでした、後に父があの時住職に相談したとき、住職はこの子は将来貴方の役に立ち、親孝行の子になりますよと言ったそうです。
事実長じて親孝行をしました。今は草葉の陰で見ていると思います。
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